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めも置き

感想とか日記とか

罪と悪の感想「たどらなかった未来を見てしまう」

子どもの頃に起こった事件が年数を経て明かされるってストーリー大好き。でもミステリーの部分は雑でよくわからなかった。そもそもなんで朔は小林少年を殺害したのか。それに逃げた小林少年をどうやって見つけたのか。また、小林少年に正樹の財布を持たせた意味もわからない。なんで?

ここらへんは直哉の思惑とか絡んでたのかな。直哉は朔のしたことに病んじゃって引きこもったと思うんだけど、晃が来た時は手を振ってたんだよね。晃に対しては好意的に見えたから、それで朔に過去をバラされるって思われて直哉は殺されちゃったのかな。でもその前にメッセージ的な意味を含めてどうにか小林少年に正樹の財布を持たせたとか? う~ん、わからない。

あと、晃が佐藤に対してやる気満々で宣戦布告みたいなの宣言してたけど、特に何かしてた様子なし。このシーンで「これからの人のために」というようなセリフがあるんだけど、この晃の言葉はグッときた。今まで通りだと自分たちのような不幸を生み出してしまう、だからこれからの人には同じ道を歩んでほしくないってことを晃が実行したところを見たかったけど、そこはご想像にお任せってことかな。

この言葉は自分たちと同じような道を歩ませようとする老害の顔面にたたきつけたい。自分たちが苦労したんだからお前らも苦労しろって感じの老害に。

ラスト、子どもの頃自分たちが辿らなかった未来を見てる春の姿が悲しい。正樹が言ってた魚がよく取れる場所に行って楽しく過ごし、何も起こらずに大人になれてたかもしれない。

でも、朔だって被害者。春も「悪いのはおんさんだ」って言ってたし周りに被害を言えてたらまた変わった未来があったかもしれない。4人(直哉も入れれば5人か)で大人になってたまに子ども時代の思い出に浸れていたかもしれない。

ただ被害者が子どもだと大人に訴えるのは難しいのもわかる。恥ずかしいって気持ちがあったり言ったら怒られるって思ったり、言語化すること自体も難しい。

春がどんな気持ちで晃と朔を逃がしたのかって考えると悲しいね。そして大人の春が朔に言った「俺はお前が怖いよ」って言葉に朔が違った反応をしていればその先の未来も変わっていたかもしれない。

朔だって被害者なのはわかるんだけど、子ども時代からあれだけのことしてたのに情のようなものが一切見えない怖さ。直哉が死んだのって、あれは本当に自殺だったのか。朔がやったんじゃないかって思っちゃうほど。朔には春への罪悪感なんてなかったんだろうな。

それにしても高良健吾ってインテリヤクザがよく似合う。この役はインテリヤクザではないんだけど。

今ってヤクザとか反社とか反グレとかあって、裏の世界も単純に極道だー任侠だーってもう昭和のような雰囲気ではない、そんな変わりゆく中で警察の犬になりながらもヤクザと渡り合うような存在を演じてた高良健吾のかっこよさよ。

ちなみにキャストにムラジュンの名前があったからどんな役だろうと思いながら見てたのに気づかなかった。当然といえば当然なんだけど若い頃と雰囲気が違ってわからなかった。よく見れば顔はあんまり変わってないのになぜ気づかなかったのか。自分の感覚がなぞ。
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